秋田地方裁判所 昭和44年(秩ろ)1号 決定 1969年12月12日
本人 大張彦一
主文
本人を過料五、〇〇〇円に処する。
理由
(事実の要旨)
本人は、当裁判所昭和四二年(ワ)第一四号売買代金返還請求事件につき、証人として数度にわたつて呼出状の送達を受けたが、正当の事由なくして出頭せず、昭和四四年一一月一七日第一五回口頭弁論期日に勾引状を発せられ、その執行の段階に至つたところ、任意に出頭に応ずるとして当裁判所第三号法廷に出頭した者である。
しかして、本人は、同法廷において、裁判長から証人として宣誓を命ぜられたが、宣誓書の朗読を拒み、恣に右宣誓書に署名指印したうえ、裁判長の再三の朗読命令に対して、「署名したからいいじやないですか。」、「二日酔のところ、今朝無理に起されて不愉快だから、宣誓書の朗読をしたくない。」、旨述べて、何ら正当な理由を申し立てることなくこれを拒否し、裁判長がなおも宣誓の趣旨、方式についての説明をし、かつ宣誓書の朗読を説得したにもかかわらず、「字を読めないということで処理しなさいよ。」、「なんならあんたと対立しましようや。」、等と申し述べて、もつて不穏当な言動で裁判所の威信を著しく害したものである。
(適用法条)
法廷等の秩序維持に関する法律第二条第一項
(裁判官 西川豊長 谷沢忠弘 鈴木正義)